デジタルイラスト タブレットの選び方【プロ直伝】
デジタルイラストの制作は、アナログとは違った魅力があります。
手描きの絵具や、ペンとは、異なる新しい表現方法が楽しめることもそのひとつ、です。
しかし、デジタルイラストを描くためには、タブレットやペンが必要。
そこで、今回の記事は、
●これからデジタルイラストを始めたい人
●どんなタブレットを使ったら良いのか?わからない人
に向けて書かれた記事です。
デジタルイラストに最適なタブレットは、どんなタブレットなのか?
その選び方を解説します。
デジタルイラスト用 タブレット 3つの種類
デジタルイラストを描くためのタブレットには、主に3つの種類があります。
①板タブレット
②液晶タブレット
③タブレットPC
それぞれに特徴があるので、一つずつ見ていきましょう。
①板タブレット
板タブレットは、PCとケーブル接続して使用するタブレットです。
手や腕がディスプレイと重ならないため、作業姿勢が自然になり、長時間の作業に適しています。初心者でも扱いやすく、比較的リーズナブルな価格が魅力です。
一方、ディスプレイと手元が離れているため、はじめて数ヶ月ほどは慣れが必要かもしれません。
②液晶タブレット
液晶タブレットは、液晶画面にペンで直接描くことができるタブレットです。
ディスプレイと作業エリアが一体化しているため、手元を見ながら直感的に絵を描けます。アナログの絵を描く感覚に近いのが特徴です。
一方で高価だったり場所を取るなど、液晶タブレットを置ける環境かどうかを考える必要もあります。
③タブレットPC
タブレットPCは、PCの機能と液晶タブレットの機能を兼ね備えた製品です。iPadなどもこれにあたります。
付属のスタイラスペンで画面に直接描くことができます。
外出先でも気軽に絵が描ける、ソフトウェアをすぐにインストールできるなどメリットは豊富ですが、携帯性や重量、長時間使用時の熱対策など、課題もあります。
デジタルイラスト用のタブレットを選ぶ5つの視点
デジタルイラストのタブレットを選ぶ際は、前述した3つの種類以外にも、用途や予算、作業環境を考慮して選ぶ必要があります。
この章では、タブレット選びの重要ポイントを下記5つに分けてご紹介します。
❶サイズ
❷解像度
❸筆圧レベル
❹傾き検知
❺ショートカットキーとタッチバー
これらの機能は快適な作業環境を形成するうえで大切です。
長時間の制作にも役立つもので、最終的には作品クオリティーに直接影響します。
それでは、一つずつ見ていきましょう。
❶サイズ
タブレットのサイズは、作業スペースと携帯性のバランスを考えて選びましょう。
大きすぎると持ち運びが大変だし、小さすぎると使いにくいよね?
そうだよ。だから一般的には10インチ前後のサイズがおすすめかな!
❷解像度
解像度は、数値が高ければ高いほど細かい描画ができます。
基準は
板タブレット | モニターの解像度に依存 |
液晶タブレット | 1920×1080ピクセル以上 |
タブレットPC | 使う機種に依存 |
です。
高解像度のものだとより細かい部分の書き込みができるので、その分作品の精度を上げられます。
板タブレットの場合もパソコンモニターと高いサイズのものを選ぶことで、より自然な描き心地が得られます。
が、処理負荷も高くなるため、タブレットのスペックにも注意が必要です。
❸筆圧レベル
筆圧レベルとは、高ければ高いほど「弱い筆圧」を検知する能力が高まります。
レベル | 適切な筆圧レベル |
初心者 | 1024レベル以上 |
中級者 | 2048レベル以上 |
上級者・プロレベル | 4096レベルや8192レベル |
イラストに慣れてきて、より繊細な表現を求めるのならば筆圧レベルは高い方が適切でしょう。
その他、筆圧が弱い方にも筆圧レベルの高いタブレットがおすすめです。
❹傾き検知
また、ペンの傾き検知機能があると傾けた際のペン先の変化を再現できるため、より自然な描画が可能になります。
特に漫画の陰影付けや立体的な絵を描く際に役立ちます。
❺ショートカットキーとタッチバー
ショートカットキーやタッチバーは作業効率を高める便利な機能です。
頻繁に使う機能をワンタッチで切り替えられるので、時間の無駄を省けます。
また、一時的にペンを置いてキーボード操作ができるのも利点です。
メーカー別 デジタルイラスト用タブレット
デジタルイラストに適したタブレットは、さまざまなメーカーから発売されています。
ここでは主要メーカーの製品について簡単に解説します。
Wacom
Wacomは、ペンタブレットの分野で長年の実績があり、プロ仕様の製品が多数揃っています。
「Intuos」シリーズの板タブレットは定評があり、「Cintiq」シリーズの液晶タブレットは高機能で描画体験に優れています。
価格帯は様々だから、予算に合わせて選べるね
初心者から中級者向けなら「One by Wacom」がおすすめだよ!
CLIP STUDIO PAINTがバンドルされており、手頃な価格で気軽に始められます。
Huion
Huionは、中国のメーカー。
高コストパフォーマンスのタブレットが人気です。
比較的リーズナブルだけど、プロ仕様に近い機能もあるよね?
筆圧レベルはなんと2048~8192段階!
高精度かつ携帯性が高いモデルが充実しているよ!
「H430P」や「Kamvas 13」など、デザインも洗練されたモデルが人気です。
予算に合わせて幅広い選択肢があるので、中級者以上の方におすすめです。
XP-Pen
XP-Penも中国のメーカーで、プロ仕様のタブレットを手ごろな価格で提供しています。
ショートカットキーやタッチバー、傾き検知機能など、高機能なモデルが目白押しです。
「Artist22E Pro」は22インチの大画面液晶タブレットで、8192段階の筆圧レベルと高い描画精度が魅力です。
初心者にも使いやすい「Deco 03」など、バリエーション豊かなラインナップが揃っています。
デジタルイラスト タブレット|iPad編
タブレットの中でも、iPadはデジタルイラスト制作に最適なデバイスのひとつです。
ディスプレイ品質が高く、ApplePencilでスムーズに描画できるのが魅力です。
iPadを使ったデジタルイラストについて詳しく解説します。
iPadの選び方
デジタルイラストを描くのに最適なのはiPad Proシリーズです。
●M1チップを搭載した第3世代以降のモデルなら、高解像度で遅延なく描画できる
●iPad Airも高性能で、コストパフォーマンスが優れている
さらに広色域ディスプレイとApple Pencil第2世代の組み合わせで、鮮やかで美しいイラストが描けます。
ディスプレイはRetinaディスプレイですが、描画体験はかなり快適です。
予算に合わせて選ぶことをおすすめします。
イラストアプリの選び方
iPadでデジタルイラストを描くには、イラストアプリが必須。
代表的なものとしては、
Procreate | 直感的な操作性と高い描画精度で人気 |
Adobe Fresco | ブラシや素材が豊富で、本格的なイラスト制作向き |
ClipStudio | 圧倒的な人気を誇るプロも使う高機能な定番ソフト。 |
ArtSet | 無料で十分な機能があるので、初心者から始めやすい |
などが有名どころです。
それぞれ特徴があるので、無料版で試してから本体を購入するのがおすすめです。
Apple Pencilの活用
iPadでのデジタルイラスト制作にApple Pencilは必須アイテム。
紙に鉛筆で描く感覚に近く、自然な描き味が特徴です。
第2世代のApple Pencilは、ペン先が平らで細かい書き味が再現できるね!
筆圧感知対応だからペン圧に応じて線の太さが変わるし、傾き検知機能で自然な陰影付けができるんだ。
慣れれば本当にアナログの描き心地に近づけます。
電池の減りも少ないため、長時間の制作に向いています。
デジタルイラスト タブレットの選び方・まとめ
デジタルイラストを描くためのタブレットには、
①板タブレット
②液晶タブレット
③タブレットPC
の3種類があり、用途に合わせて使い分けが必要です。
またタブレットを選ぶ際には、次の5つの視点をもって見て見ましょう。
❶サイズ
❷解像度
❸筆圧レベル
❹傾き検知
❺ショートカットキー、タッチバー
また、メーカーごとに特徴も異なるため、予算、機能、サイズなどを総合的に検討し、最適なモデルを選びましょう。
デジタルイラストは、初めての方でも少しずつ慣れていけば、アナログとはまた違った魅力を感じられるはずです。
自分に合ったツールを選んで新しいクリエイティブの世界を楽しみましょう。
今回も最後まで読んでいただいてありがとうございます。
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